「シャンプーは何回しますか?」
トリマーさんには必ず聞きます。
2回以上が圧倒的に多い答えですが、
「なぜ何度も洗うんですか?」 と聞くと、
「そう習って、それでやってきたから」とか、
「1回で汚れは落ちませんから」 と答えてくださいます。
「では、臭いはどれくらいもっていますか?」 と聞くと、
1週間~3週間と数字で答える方もいますが、
あまり気にしていない人もけっこうおられます。
ごくたまに、 「ほとんど1回で済ませます!」という方がおられ、
「臭いはどれくらいもちますか?」 と聞き直すと、
3日と答えられたりします。
それが本当なら汚れが落ちていない証拠です。
ではどちらが良いのか?
お客様にとっては、3日より3週間のほうが嬉しいに決まっていますし、
臭いが消えるのは『皮脂・角質・雑菌』の量が健康状態にもどった証拠ですから、
ペットの健康上たいへん好ましく、
2回3回と洗ってこの状態を作ることは正しいことです。
でも、深刻なデメリットも発生しますよね?
デメリット①・・・お湯はシャンプーの回数分必要ですが、
小型犬でも数十㍑のお湯が必要なうえ、
使った分だけ下水料金もかかって燃料も消費します。
トリミングに使う消耗品の中では1番高額な『シャンプー剤』も大量に消費します。
デメリット②・・・CDCペットシャンプーではチワワを5分で洗って下さいとお勧めしていますが、
2回3回シャンプーすれば5分では無理です。
1頭当たりのシャンプー時間が長ければ長いほど
仕事は回転しなくなり、ペットの心と体に負担がかかります。
デメリット③・・・「○○回洗えば大体OK」という、
経験が頼りのロスの多いシャンプー作業になりがちです。
トリマーさんの仕事量に差を生んで、
洗い直しや洗い残しの原因にもなるため、
仕事の回転率を下げ評判を下げる原因にもなります。
デメリット④・・・トリミング作業の中で
大きく時間を短縮できるのはシャンプーとドライ工程だけですが、
洗い方を変えると目指す仕上がりにならないという『恐れ』から、
たとえ1回のシャンプーで仕上がりは変わらないとしても
試す気さえ起らなくなります。
でも、そもそもなぜ2回3回と洗わないと汚れが落とせないのか?
一言でいうと、ペットシャンプーは洗浄力を低くしてあるからですが、
それは洗浄力を上げると薄いペットの肌に浸透して
赤くなったり、かゆくさせたりするからです。
よく落ちるシャンプーを作るのは簡単な事ですが、
浸透力も一緒に上がってしましい肌に浸透して商品として成り立ちません。
(そのためクレンジングシャンプーが考えられました)
当然洗浄力の低いシャンプーは数回に分けて洗浄しなければなりません。
CDCペットシャンプーは『洗浄力と浸透』の関係を完全にクリアしたシャンプーです。
食器洗いのJOY(ジョイ)のような洗浄力ですが、
砂糖より安全な上に、肌への浸透がピタッと止まるから、
どんな敏感な肌にもダメージを与えません。
高い洗浄力と安全性を生かし、半分の時間でシャンプーをする使い方は、
同封の『CDCの使い方』で解説しています。
さて、ここからはシャンプー回数と『利益率』のお話です。
ペットショップでは、商品を販売したりサービスを提供することで
売り上げを積み重ねるわけですが、
『1回の料金×利用頻度』を他の商品販売などと比べた時、
トリミングの利益はダントツですよね?
『利益』を計算するときには、
売り上げから仕事に必要な経費を差し引きます。
電気・上下水道・光熱費・材料費・人件費・設備償却費・テナント料など、
1頭のワンちゃんを仕上げるために必要な経費を全部引いた後に残るのが
『純利益』です。
賞味期限のあるペットフードやおやつ、季節商材のアパレルやひんやりマット、
1頭当たりの単価が大きい生体販売、
ロスが出たり在庫の発生などで利幅が少ない販売利益に対し、
技術料メインのトリミングは多くの利益を残すことができます。
ですから、この利益を極限まで上げる努力をすれば
お店の経営に大きく貢献できるのですが、
2回も3回も4回も洗っていては、利益を大きく伸ばすことは無理です。
なぜなら、先にあげた4つのデメリットが利益を食いつぶすからです。
何度もシャンプーをすればよい仕事ができて、売り上げにも貢献できると思いがちですが、
実はたくさんの経費を使ううえに、仕事量には限界があるのです。
CDCペットシャンプーについては、これまで特別な洗浄機能の解説や、
それを生かすための使い方、トリミングに役立つ用具や道具について
多くの解説をしてきましたがこれらは全て
『トリミングの利益率を劇的に上げる』ためのものです。
●シャンプーの80%以上を1回にする。 ●シャンプーの時間を短縮する。
●それでいて臭いを1か月持たせる。 ●シャンプー中に耳洗浄を終わらせる。
これらは、これまで解説してきた代表的なCDCの使い方ですが、
もしこれが可能になったときの経費は、今と比べてどれくらい少なくなり、
『純利益』はどれだけ増えるのかをよく計算してみてください。
そして、もし時間が短縮されて仕事の量が増えたとしたら、
増えた仕事から得られた売り上げがどれほどお店の
『純利益』に貢献できるでしょうか?
ぼくたちは、利益の出ない最低のトリミングサロン時代からスタートしました。
4つのデメリットを1つずつ改善する長く苦しい時間が過ぎ、
今では『送迎廃止、広告廃止、週休2日』のスタイルでも
利益を大幅に(50%以上)上げることができました。
こんなぼくたちにもできたことですから、
是非1度あなたにも考えてほしいと思うのです。