その日はお客様が多く、
トリミングルームはいつもよりバタバタした雰囲気でした。
そんな中、
初めてのお客様がシーズーを抱いて来店されました。
開口一番、
「すごく臭いから申し訳ないんですが・・・」
とおっしゃいました。
詳しく伺ってみると、
数年前から耳の具合が悪くなって、
今では耳の内側がいつもベッタリするほどなのに
ほとんど病院には行っていないとのこと。
何より、
「よく抱っこできてるな～」
と思うほど強烈な匂いが
カウンターの向こうから漂って来ました。
次の予定がギッシリ詰まった忙しい日でしたから
早速、臭いの元をやっつけてやろうと
シャンプーをすることにしました。
CDCペットシャンプーを使ったお耳掃除は
耳の穴に直接シャンプーを注ぐところから始めるのですが、
なんと、
このシーズーには耳の穴がないんです。
強烈な匂いに怯みながら顔を近づけて
よーく観察してみると、、、
耳の内側全体が赤く晴れ上がっていて
中心にあるコブのようなものが
耳の穴を押しつぶしているのが分かりました。
次に、そのコブを寄せて耳の穴をよく見ようとした瞬間、
「ギャン！！」
という悲鳴とともに
私の指に噛み付こうと、体を反転させたのです。
後で聞いたことですが、
このシーズーは臭いのために家族に嫌われていて
可哀想に思ったお母さんが耳を洗おうとしても
噛み付いてきて何もさせてくれないので
病院にも行きづらくなって悪化したんだそうです。
普通なら、ここでお耳の掃除はできませんよね？
でも、
私はCDCだけにできる特別な洗い方に切り替えました。
泡ポンプでたっぷり泡をとって
痛がる患部には触らないよう気をつけながら
耳の内側全体になじませたら
耳とほっぺで泡を挟むような状態を作ります。
お耳洗浄の準備はここまでで、
耳の泡はをすすがないままで
体の洗浄を開始します。
一連のシャンプー作業を完了したあと
最後に耳をすすいでください。
CDCの特徴は、
松の樹液から抽出したコロイド粒子の働きで
手を触れなくても汚れと雑菌を洗浄する、
「剥離洗浄機能」があることです。
コロイド粒子は、
痛がる幹部に触れなくても
コロイドが臭いの元に浸透して
激しい振動で浮かせる機能です。
しかも、
敏感になっているお肌に浸透しないので
シャンプーの後にもダメージを残しません。
洗浄方法を切り替えたおかげで
ぼくは再び噛まれそうになることなく、
イヤな臭いを完璧に処理することができました。
ただ、こんなに悪化した症状は、
たまに来るトリミングサロンだけでは回復しません。
そもそも、これは治療行為ではないのです。
お迎えの時、
お母さんにさっきの泡洗浄を実演して
週1回以上、お家でケアされるよう勧めました。
そしてなにより、
きれいにしたらすぐに病院に行くべきことを
症状の悪さとともに説明しました。
その結果、
このシーズーは完治こそ難しいものの、
あの強烈な匂いは嘘のようになくなって
家族にも可愛がられてるそうです。
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